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PBLマッチング

【福井大学大学院】福井駅周辺のにぎわい創出



県内高等教育機関名


福井大学大学院




メールアドレス


azusa@u-fukui.ac.jp




学部名


工学部・工学科 経営技術革新情報工学コース




プロジェクトテーマ(課題)


福井駅周辺のにぎわい創出




課題の詳細


【我々の活動】


2025年に福井市と連携の上、「福井駅構内は歩行者と自転車が交錯する区間で安全性が低い」点について課題発掘、解決策提案、実装、検証を行った。
福井駅構内は、歩行者と自転車が交錯する区間で安全性が低い。
特に、 福井駅自由通路(「セブンイレブンとマクドナルドの間」の通路)は通勤通学者が多く、スピードを出したまま走行する自転車(以下「乗りチャリ」)も見られる。



この理由に、利用者の押し歩き(以下「押しチャリ」)への「必要性の理解」と「行動」が一致していないことが挙げられる。
多くの利用者は押し歩きが望ましいことは理解しているが、


・急いでいる
・押し歩きするメリットを感じない
・周囲も押し歩きしていない


といった理由で実行に移せていない。
ルールよりも「周囲の行動」「環境設計」の影響が大きいことや、行動が注意喚起よりもその場の雰囲気や視覚刺激によって左右されやすいことなどから、我々はナッジを用いて行動変容を促してきた。
行政の職員や住民双方が負担なく受け入れられる仕掛けづくりが必要であると考えている。



実装内容(まとめ)


福井駅自由通路での押しチャリ推進のために、ナッジを活用した行動誘導デザイン以下3点を福井市役所と共同で作成してきた。特にワークショップ実施などを通じ有効性を確認した【Norms】(「社会規範」他者の行動規範など。Ex.90%しています」など)、【Defaults】(「デフォルト設定」初期設定の工夫など。Ex.「必要なものすべてにチェックを入れてください」ではなく「必要ないもののみチェックを外してください」とし負担を軽減するなど)に注目した。



A型看板「押しチャリモデル」:
自転車を押して歩いている男女の絵が描かれた看板を通路の入り口に配置、推奨されるモデル像を明示できる行動誘導デザインで押しチャリを促す 使用ナッジ要素【Norms



②床面装飾「足跡と自転車のタイヤ跡」:
床面に、靴跡と自転車のタイヤ痕のステッカーを貼り、たどりたくなる行動誘導デザインで押しチャリを促す 使用ナッジ要素【Defaults



③音響効果「歩きたくなるリズム」:
自由通路内で規則正しい歩行の足音を再生、走行とのリズムのズレに気づかせる行動誘導デザインで押しチャリを促す 使用ナッジ要素【Defaults



上記3つの行動誘導デザインの仕掛けを福井駅構内自由通路にて実装、観察・仮説検証を行った。
朝夕の通行状況を観察し、設置後に行動が変わったかを測定(押し歩き率算出)した。



【課題】


共存空間づくりのための安全安心な環境づくりの一環として、自転車の押しチャリ活動に取り組んできた。
その過程の中で、乗りチャリは、押しチャリをしなくてもぶつからない・人目がないなど、そもそも駅構内での人流が少ないことに起因しているという課題が見つかった。
この課題は治安や安全面から考えても、喫緊の課題である。



並行して、福井駅で施策を実装していく中で、福井駅は公共機関だけでなく商業施設など様々なステークホルダーが複雑に絡み合っており、関係者各所の相互協力が必要なことも見えてきた。
押しチャリを促す仕掛けづくりから、福井駅周辺のにぎわい創出・活性化、利用者の安全・安心の担保、確保を行うことでSDGs11「住み続けられるまちづくりを」の実現に繋げていけると考えている。そのために福井駅周辺の関係者各所の協力を頂き、産学官民共同で行う必要がある。




取り組みたい内容


【福井駅周辺でのナッジを用いた実装実験、調査】


福井駅周辺を、歩行者・自転車・テナント利用者が自然に混ざり合い、安心して滞在・回遊できる「共存型の公共空間」とするために


①データに基づく空間理解
②回遊を促す活動づくり
③滞在価値を高める環境整備


の三要素を一体的に進め、関係者全体で共有価値として育てていく協働体制を形成する。


①データに基づく空間理解:空間の現状を共通の言語で理解し安全性を底上げする
人流データや混雑・危険箇所を可視化し、歩行・自転車・店舗活動が衝突しない動線を設計する。
安全・快適性の指標を関係者間で統一し、駅前全体の「安心して滞在できる土台」を整えることにより、自然かつ持続的なにぎわい創出に繋がる。


②回遊を促す活動づくり:その土台の上で人が動きたくなる仕掛けを共創する
回遊イベントなどをテナントと連携して実験し、移動そのものを楽しめる空気をつくる。これにより、自然かつ持続的なにぎわい創出に繋がる


③滞在価値を高める環境整備: 駅を滞在したくなる場所へ育て、流れと滞留のバランスを最適化する
分かりやすい案内、疲れにくい歩行スケール、自転車の減速誘導、ベンチや緑といった滞在要素を強化し、利用者が安心して過ごせる環境を整える。
滞在価値が高まることで、回遊行動も持続的に増えていき、自然かつ持続的なにぎわい創出に繋がる。




協働先に求めるリソース


取り組みたい内容に伴う空間など実装実験の機会提供




高等教育機関が提供可能なリソース


実装実験から得たデータを統計分析、ナッジを使用した仕掛けづくりのご提案